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Chance~会社設立にいたるまで

大学に通っていた20歳の頃、ある経営者との出会いがありました。その経営者との出会いで、将来は、“会社勤めではなく自分で会社をやる”という道もあるなと強く思うようになりました。
その当時は、今のように“起業”という言葉が注目されるということもない時代でした。

バブル期で企業に就職することは比較的容易でしたが、就職活動は一切しませんでした。輸入業に興味を持っていたので、見聞を広げるため、その当時はまだ珍しかったワーキングホリデー制度を利用して1年間ほどカナダに行くことにしました。

ワーキングホリデーで訪れたカナダの金融事情

カナダではオートバイを購入し、カナダ全土、あちこちを巡りました。当時(1993年、94年)のことで印象に残っているのは、カナダではATMはすでに24時間あいていたということですね。それから、銀行に口座を開いたのですが、その時に、カウンター越しにずらりと「投資信託」のパンフレットが並んでいたのを覚えています。キャッシュカードがカナダ全土どこでも使え、アメリカとの国境をまたいでも現金が引き出せたというのも興味深かったですね。

今でこそ日本でもコンビニなど色々なでお金が引き出せますが、当時の日本では、その銀行のATMコーナーでしか引き出せなかった。利用できる時間もかなり制限があったと記憶しています。その時、「これは日本とはお金を取り巻く環境がまったく違うぞ」と感じました。

当時の日本に金融事情

帰国後も企業に就職はせず、たこ焼き屋、ホテルのボーイや工事現場での肉体労働など色々な仕事を経験しました。そんなとき、保険の代理店の仕事を手伝うことになったのです。これが私にとって始めての金融とのかかわりとなりました。1995年頃です。

この仕事は成果報酬制で、顧客の開拓や契約、アフターサポートも担当しました。金融機関や保険業界の内情も見ることができました。そこで感じたことは、「規制で固められて、お客さんの声に耳を傾けていない、傾けるという発想すらない世界だな」ということです。

いろいろな規制がありすぎて、金融商品を作り出す仕組みが育っていない、パイを奪い合う競争はあっても本当の意味での競争もほとんどなく、成熟していない世界だなと思いました。これには失望もしましたが、逆に大きなビジネスチャンスもあるのではなか、とも思いました。そんなことを考えている頃に、「ファイナンシャルプラン」いう考え方があるというのを知りました。この米国発の考え方はとても面白いと感じました。そこでファイナンシャルプランナーの資格(97年にAFP、98年にはCFP)を取得しました。

情報整理がされていないからこそ、大きなビジネスチャンスとなる

この「ファイナンシャルプラン」という考え方を使い、個人に資産運用や金融に関する総合的なアドバイスをするのが「ファイナンシャルプランナー(FP)」です。この仕事で一番魅力を感じたのは、「お金に関する様々なコーディネーターになれる」ということでした。

世界中、どこへ行ってもお金がないと生活できないわけで、水や空気、光と同じぐらいお金は大切なものであるにもかかわらず、色々な環境がきちんと整備されていない。特に日本ではお金のことをおおっぴらに話すのはなぜか気が引ける、お金の話は卑しいもの的な雰囲気も感じていました。

今もそうですが、当時は、ファイナンシャルプランということば以前にお金に関する情報は金融商品の情報という形でしか一般の人々には供給されていませんでした。また、金融商品を供給する金融機関は、色々な規制に守られて顧客のための商品設計という発想もあまりありませんでした。

このような中では、金融機関が顧客に対してどうやってアプローチしていこうかと考える時代でもありませんでしたし、金融機関を使う消費者自体もちゃんと情報を得ようとしているわけではありませんでした。その必要性にも気づいていなかったわけです。しかし、お金というものは人の生涯で絶対はずせない。FPなら金融商品はもちろん、お金にかかわる考え方や情報を色々な人に伝えることができると直感しました。これは、ビジネスとしてものすごく可能性があると感じました。

個人的には、自身の2大テーマとして「自己実現」と「社会貢献」というものがあるのですが、既存にある商品やサービスをつくり、販売することにはあまり興味を持てませんでした。 世の中にまったくないもので、後世まで残せるものを仕事にしたい、というのがありましたので、この仕事は自身のテーマにピッタリはまる感じがしました。こうして、(株)マネーライフナビを設立したのが1996年12月のことです。